こんにちは、マニです。
前回の記事では「プル型営業」から「プッシュ型営業」へシフトチェンジすることについて紹介しました。
今回は、そんな「プッシュ型営業」の具体的な施策について紹介します。
これまでのプル型営業は、管理会社や仲介会社に協力を要請し、外部からそのエリアに「たまたま引っ越ししてくる人」をターゲットにする、いわゆる「待ちの戦略」でした。
いつ、どんな人がそのエリアに訪れるかわからず、私の様な地方で勝負している大家は非常に不利な戦法です。
シフトチェンジした「プッシュ型営業」はそのターゲットを外部から「たまたま引っ越してくる人」ではなく、同じエリアに住んでいる人もっというと、「隣のアパートの住人」をターゲットに考えています。
こう考えると、周りに住んでいる人、全員がターゲットだと言えます。
私の「プッシュ型営業」はこの「周りの人間はみんなターゲットだ!!」を形にするものです。
名付けて「入居者ローラー作戦」。
今回は、その無謀な作戦の全容を余すことなく紹介します。
関連記事:賃貸募集をプル型営業からプッシュ型営業にシフトチェンジする
「入居者ローラー作戦」の全容を紹介
「入居者ローラー作戦」。その方法はいたってシンプル。
所有するアパートの周辺の住人に、ダイレクトメールを送る。
ただそれだけです。いわゆるチラシ配りというやつですね。
これまでの入居者募集活動は、管理会社や地元の不動産会社に営業することでした。
入居者であるユーザーにダイレクトに届くような施策を大家側ではできなかったわけです。
引っ越しシーズンはいいですが、今回のようなシーズンオフではただただ待ちの戦法です。
ビラ配りでユーザーとダイレクトにつながる
ダイレクトにユーザーとつながる。これが私が考えたプッシュ型営業の本丸です。
周辺のアパートに住む、住人にチラシを配ります。
今は普通の人でも利用できる様々なサービスがあります。
チラシのデザインから、印刷、ポスティングまでを一括してくれるものや、チラシを持ちめばポスティングだけを行ってくれるものもあります。
例えば、こちらのプリントアースというサービスであればデザイン、印刷、ポスティングまで5000部を44,623円~で行ってくれます。
私の所有するアパートは家賃設定が43,000円です。ちょうど一か月分の家賃と同じ費用でチラシ配りが可能です。
エリアは住居の種類(戸建て、集合住宅)を絞れるだけでなく、中には性別、年齢、世帯年収や家族構成などターゲットを絞った配布をしてくれるところもあるみたいです。
1室の部屋を埋めるだけであれば1000部も配れば十分かもしれません。
この辺は、もう少し地域の特性やチラシの反応率を検証して配布部数を検討したいと思います。
「入居者ローラー作戦」成功へのポイント
新しい試みの入居者ローラー作戦。
せっかくやるんですから、少しでも成功率を上げたいです。
そこで入居者ローラー作戦を成功させるための実験をいくつか試してみようと思います。
- 入居募集用ホームページの作成
- 内見者へのギフト券プレゼント
- 初期費用削減キャンペーン
入居募集用ホームページの作成
一つ目のポイントは入居募集用ホームページの作成です。
つまり、よりビジュアルに訴えた営業促進活動をするということです。
入居募集用ホームページは以前、紹介した「チャレンジリスト」で、今後の賃貸経営を左右する大きな挑戦の一つです。
アットホームやCHINTAIなどのWebページや、不動産会社が作るマイソクは必要最低限の情報しか載りません。
入居希望者が最も見たいであろう写真も枚数が限られていて、ライバル物件と横並びされたらその差がよくわかりません。
そこで入居募集用のホームページを作成し、思う存分ビジュアルに訴えようと思っています。
ここでのポイントは『圧倒的にきれいなサイトを作る』ことです。
初めて検索するお店やホテルのサイトがめちゃくちゃ綺麗だったら、好感度がいっきに高くなりますよね。
ゆくゆくはプロのデザイナーにサイト作りをお願いするつもりですが、まずは自分でやってみようと思います。
関連記事:チャレンジリストを大公開|賃貸経営×アートが最終目標です
内見者にギフト券をプレゼントする
内見にも時間と労力が必要です。
ちょっと気になるけど、せっかくの休日に見に行くほどでもないかな…
こんなユーザーを何とか取り込みたい。力技で内見に導くための仕掛けも必要です。
とはいえ、以前実施した『入居者アンケート調査』で発覚した、「世の中の人は意外と目の前の小銭で動かない」という教訓もあります。
これをやるから内見が増えるとは言い切れませんが、可能性が少しでも増えるならやる価値はあります。
まずは1000円分のギフト券プレゼントぐらいでやってみようと思います。
関連記事:マーケティングを始めるためにはマーケティングが必要だった話
初期費用削減キャンペーン
入居者が現在住んでいる部屋から引っ越ししない理由は、「今の部屋が気に入っているから」ではなく「引っ越しにかかる費用が捻出できない」からというほうが多いそうです。
ということは、そこにかかる初期費用の負担を軽減できれば引っ越しのハードルは大きく下がると思います。
それはたとえ隣のアパートであってもです。
敷金礼金を無料にして、引っ越し祝い金として現金をプレゼントすれば実質的にはタダで引っ越しができます。
ただでさえ閑散期の今の時期です。
いつどこから来るかわからない入居者候補を指をくわえて待っているぐらいない、大家が費用を負担してさっさと満室にしてしまったほうが、トータルでは利益が上がります。
単身者の近隣への引っ越し費用なんてたかが知れています。閑散期は引っ越し業者も同じです。2~3万円も払えばおつりがくるでしょう。
ちなみに、私の所有物件は閑散期に空室を埋めるには、今までの実績では半年程度かかっているそうです。
これなら何もせずにただただ待っているより、1~2か月分の費用を投下してでもすぐに空室を埋めたほうがビジネスとして得策です。
なにより、大家の精神衛生上やる価値は大きそうですね。
「入居者ローラー作成」の隠れたもう一つのテーマ
入居者ローラー作戦の目的は、近隣にチラシをばらまく(ローラー)ことで新しい入居者を見つけることです。
しかし、それ以外に隠れたもう一つのテーマがあります。
それは、入居者候補のメーリングリストを作成することです。
実は、入居者を探すこと以上に、こちらの目的のほうが実験としての意義は大きいと思っています。
チラシをバラまく数を増やせば、「おっ、この物件なかなかいいな。ちょっと見に行ってみようか」と思う人も出てくるでしょう。
見事に内見者を連れてきて、入居につながるかもしれません。
あるいは、「これはいいな」と思った人が2人、3人と出てくるかもしれません。
商品を買えるのはたった一人
ですが、いくら内見者が集まったところで実際に商品(部屋)を変えるのはたった一人です。
プッシュ型営業が功を奏し、2人、3人と入居希望者があらわれてもほかの人には商品は売れません。これはかなりの機会損失です。
もしも、商品を買えなかった人が、「空きが出るようなら入居したい」と思っていたらどうでしょう。
次回の退去連絡があった際に、「空きが出ました!!次はあなたの番です!!」というメッセージを送れば、どんな返事を返してくれるでしょうか。
「入居者ローラー作戦」で退去連絡待ちのメーリングリストを集めることができれば、次回からは営業活動は不要になるかもしれません。
不動産会社に任っきりの従来のプル型営業との大きな違いがあると思いませんか。
プッシュ型営業をすることで新しいターゲットにアプローチするどころか、入居者候補を大家自身が抱えておけば、もはや不動産会社に頼ることなく満室経営が可能です。
まとめ
今回は、私が考えた「入居者ローラー作戦」を紹介しました。
賃貸経営はビジネスです。
ビジネスは経営者自身が主導権を握り、采配を振るうことで利益が最大化します。
これまでの受け身のプル型営業を脱し、経営者自身がマーケティングを積極的に行うことで入居者自体もコントロールする。
まだまだ絵に描いた餅です。こんなことうまくいかないかもしれません。
けど、やってみる価値はおおいにありそうですよね。
7月末の退去に向けて着々と準備を進めていこうと思います。
今後の動向にこうご期待。