こんにちは、マニです。
前回の記事【『出世は金で買え!!』私が400万円払って課長に昇進した話】で「出世は金で買え」とアドバイスしました。
今回は、さらに深堀して不動産投資で出世するために大事な視点をお伝えします。
「出世は金で買え」の復習
まずは前回の復習。
私は頭金400万円を使い3600万円のアパートを購入しました。その結果、年間280万円の年収を手に入れました。
これによって係長から課長クラスに年収が上がり、出世レースに参加することなく課長に昇進できたというお話でした。
購入した不動産を紹介
私が購入した不動産を少し紹介します。
- 物件価格3600万円+購入時の諸経費300万円
- 満室時の家賃収入408万円
- 税引き前利益286万円(運営経費+空室率=30%と想定)
物件価格3600万円+諸経費300万円=3900万円の約1割を頭金として支払い、物件を購入しました。
年収は金で買える
頭金として400万円を払うことで、年間に280万円年収が増えました。
不動産投資とはいったい何を買っているのか

話は変わりますが、不動産投資とはいったい何を買っているんでしょうか?
- 資産?
- 年収?
- ロマン?
不動産投資とは何なのかを考えるとき、私は次のように考えています。
不動産投資とは
ここでいう、資産とは物件そのものが持つ純粋な価値だと思ってください。
100万円の現金の価値は100万円で、100万円の金(きん)の価値は100万円です。ここは、比較的わかりやすいですね。
ではそれが消費財だとどうでしょうか。
100万円の新車の価値は90万円の車そのもの価値と10万円の新車プレミアムです。3000万円の新築マンションの価値は2700万円の建物の価値と300万円の新築プレミアムです。

新車プレミアムはほんとに必要?
新車/新築プレミアムとは、だれも使っていないまっさらない状態に対する付加価値みたいなもんです。
中古と聞くと、ちょっと安っぽく感じる人がいますよね。そんな人のために、新車/新築プレミアムは用意されています。
誰かが1日だけ使った車はすぐに中古と呼ばれ価値が下がります。そのもの価値は新車とほとんど変わらないのにです。
消費財にはプレミアムがあり、買った瞬間にプレミアムがなくなり価値全体の1~2割程度下がってしまいます。ものそのもの価値が下がったわけではなく、プレミアムがなくなり純粋な価値だけが残ったといった感じです。
中古でも価値が上がるものがある
中古品の中にもプレミアムが存在します。
新車プレミアムは「誰も使っていない価値」でしたね。
- ブランド品は数量限定品
- 不動産は駅近好立地マンション
だったりします。不動産投資の場合でも、立地の目利きがしっかりしていれば購入した金額より価値が上がることがありますが、それは建物としての価値が上がるわけではなく、土地としての価値があがり不動産価格が上昇するんです。
不動産投資では何を買っているのか
不動産投資の価値の構成を振り返ってみましょう。
不動産には資産とは別にキャッシュマシーンと呼ばれる価値が存在します。これはその名の通り、「お金を生む機械」のことです。
私が購入した不動産の場合、購入価格3600万円分の不動産そのものの価値(資産)と年間280万円の利益を生むキャッシュマシーンが存在しています。

不動産には、「資産」と「キャッシュマシーン」が存在することを覚えておいてください。
レバレッジを利かすことのメリット

不動産投資が株式投資やFXなどほかの投資法と大きく違う点は、銀行の融資を受けられるということです。
融資を受けられるおかげで、少ない資金で大きな投資をすることができます。このことを「レバレッジを利かす」といいますが、このメリットはいったい何でしょうか。
融資と現金買いの比較
融資を受けて投資をした場合と、手持ちの現金だけで投資をした場合を比較してレバレッジを利かすメリット見てみましょう。
今回は説明を単純にするために私の購入した物件のうち、次の数字だけを利用してみることにします。
- 購入金額3900万円(物件価格3600万円+諸経費300万円)
- 頭金400万円
- 年間利益280万円
現金で購入する場合
購入金額をすべて手持ちの現金で支払った場合、この投資から得られる年間の利回りは
280万円÷3900万円=7.2%
となります。
融資を受けた場合
400万円を頭金として残りを融資を受けて購入した場合、この投資から得られる年間の利回りは
280万円÷400万円=70%
ここでは借入利息は無視していますが、それでも利回りが跳ね上がっていることが分かります。投資利回りは約10倍です。
いったい、何が起こっているのか
融資を受けただけで利回りが跳ね上がる仕組みがうまく理解できない人がいると思うので、先ほどの「不動産=資産+キャッシュマシーン」の構成でいったい何が起こっているのかを解説します。
現金で購入する場合
手持ちの現金3900万円を使って不動産を購入した人が手に入れたものは、
- 資産3600万円(諸経費300円は除く)
- 年間280万円のキャッシュマシーン
のすべてです。

融資を受けた場合
頭金400万円で融資を受けた場合は、
- 資産100万円(諸経費300円は除く)
- 年間280万円のキャッシュマシーン
頭金400万円のうち300万円を諸経費の支払いに、残りの100万円で資産を購入したことになります。
資産3600万円のうち残りの3500万円はだれが持っているかというと、担保して銀行に預けているため銀行が持っている(便宜上)ことになります。
頭金を400万円しか持っていない人は、資産としてはたったの100万円しか買えたことにならないんですね。当然と言えば当然ですね。

融資を受けて、結局何を買ったのか?
この二つの例では、購入できた資産の額が全く違います。
使った現金の額は全然違うのに、手に入れたものが同じものがありますね。
そう、キャッシュマシーンです
融資を受けた場合、不動産そのものの資産はほとんど銀行のものですが、キャッシュマシーンはすべて手に入ります。これは400万円しか払っていない人も、3900万円も払った人も変わりません。
投資利回りはキャッシュマシーンで決まる
不動産投資の投資利回りは、このキャッシュマシーンから生まれる利益の額で決まります。
キャッシュマシーンが生む利益の金額が変らなければ、1円でも安くキャッシュマシーンを買えたほうが投資利回りは良くなりますね。
仮に現金を4000万円もっていても3900万円の物件を現金で買えば、キャッシュマシーンは1台しかかえません。400万円の頭金で融資を受けて買えば、なんと10台ものキャッシュマシーンが購入できるようになります。
出世は金で買え

「出世は金で買え」とは、言い換えると「年収は金で買え」ということです。
この年収というのはキャッシュフローのことです。資産を買うだけでは年収は増えません。
いくら資産性があるとは言え、金(きん)を買っても年収はあまり変わりませんね。
株式投資はキャッシュマシーンか?
株式投資も配当金というキャッシュを生むので、キャッシュマシーンと呼べます。
しかし、そのものの価値(株価)を投資家本人でコントロールできませんし、融資を受けることができないので効率よくキャッシュマシーンだけを買うこともできません。
新築区分マンションはやめとけと言われるゆえん
不動産投資を真剣に勉強している人は目にすると思いますが、
新地区分マンションはやめとけ
と言われます。これはなぜでしょうか。先ほどの不動産=資産+キャッシュマシーンで考えてみるとすぐにわかります。
キャッシュマシーンが小さいと利益が生まれません。なおかつ、新築区分マンションはその大きな割合を占める資産の中に、あの新築プレミアムが潜んでいるんです。
自分で住むわけでもない部屋のために、わざわざ新築プレミアムを払う意味がありますか。新築は高い家賃がとれますが最初の入居者が退去してしまうとそのあとは中古物件扱いですぐに家賃が下がります。
資産としてもすぐに値が下がり、キャッシュマシーンも小さい。新築区分マンションがオススメでない理由が理解していただけたでしょうか。
資産重視の不動産投資は意味がない?
資産を重視する不動産投資は無意味かというと、実はそうでもありません。
キャッシュマシーンの割合が大きい物件は築古であったり、立地が悪かったり実は不人気物件が多いんです。満室運営をすればたくさんの利益を持ってきてくれますが、そのためには仲介業者に営業をかけたり、適切にリフォームしたりと何かと苦労が多いです。
キャッシュマシーン重視の戦略は、資産を拡大させたい時にはとても有効です。
こうすると、キャッシュマシーンが小さくなるので利回りは高くはありませんが、不動産投資に掛ける労力が少なくてすみますし収入も安定します。
地主大家さんや、資産家はこのタイプが多いです。
まとめ
今回は、「年収は金で買え」の続編として、不動産投資では何を買っているのかを解説しました。
キャッシュマシーンが利益を生みます。利益が欲しくて不動産投資を始めたのに、
- 都心
- 駅近
- 新築区分マンション
なんていう、資産性の高い物件を買っていたらいつまでたっても資産は拡大しません。
自分の目指すべき目標をはっきりさせて、戦略を間違わないようにしましょう。
出世レースから降りても課長に出世したいのであれば、しっかりと現金を生むキャッシュマシーンのある不動産を選ぶようにしましょう。
