こんにちは、マニです。

不動産を購入しました。中古でエアコンや給湯器がそろそろ寿命みたいです。プロパンガス会社をかえたらタダで更新してくれると聞きましたが、これってありですか?
不動産投資家の常套手段のひとつが「プロパンガス会社の切替」。
メリットが多い反面、何も知らない新米大家さんの中にはプロパンガス会社の切り替えで、不利益を受ける人もいます。
今回は「プロパンガス会社の切替」の注意点をご紹介します。
プロパンガス会社の切替って?


ガス利用には、
- 都市ガス
- プロパンガス
の2種類があります。
「都市ガス」とは、電気や水道のようにあるエリアに配管を張り巡らせて、家やビルに供給する仕組みです。
「プロパンガス」とは、配管を張り巡らせることなく家やビルごとにガスボンベを設置して個別に供給する仕組みです。
ガスは電気や水道ほどインフラ整備が進んでおらず「都市ガス」が整備されているのはごく一部で、日本ではまだまだプロパンガスの供給エリアのほうが多いです。
プロパンガスの仕組み
ガス供給はインフラの一種と考えられています、「都市ガス」と「プロパンガス」ではそのビジネスに大きな違いがあります。
「都市ガス」は電気や水道に限りなく近いビジネスでいわゆるインフラと呼ぶにふさわしいビジネスですが、「プロパンガス」は新聞や牛乳配達と同じでガスを配達しておこなうビジネスです。
ガソリンスタンドと同じように会社ごとに自由に値段を設定して、様々なサービスを提供することで事業を運営しています。
そのため会社によって、
- 料金
- サービス
- 営業活動(ブローカーなどに依頼)
など、力を入れているポイントは様々です。
プロパンガスの料金体系
ガス料金は一般的に、
ガス料金=基本料金+従量料金
で決められています。
電気や水道と同じように使った分だけを、料金を支払う仕組みになっています
プロパンガスの切替方法
プロパンガス会社の切替方法について紹介します。
プロパン会社を切替たら、エアコンやガス給湯器をタダで更新してくれた!
といった話を聞いたことがあると思います。
これは、「新聞をとってくれたお礼に洗剤やトイレットペーパーをプレゼントしてくれる」ことと、やっていることはほぼ同じです。
何十、何百とあるライバルを出し抜くために、日夜あの手この手の販売戦略を練っています。
その戦略の一つが、切替のお礼にエアコンや給湯器を無料で更新してくれるといったものになっています。
機器更新がタダのカラクリ
プロパン会社はどうやってタダで機器を更新してくれるんでしょうか。
その方法を考えてみましょう。
費用を入居者のガス料金に上乗せされている
プロパンガスの料金はプロパンガス会社が自由に設定することができます。
企業努力で安くすることも可能ですが、自由に高くすることも可能です。
大家さんにエアコンやガス給湯器をタダで提供する代わりに、入居者のガス料金を高く設定することも容易です。
入居者にはプロパンガス会社との交渉権はありません。
無償貸与契約としている
「無償貸与契約」とはガス給湯器やガス配管などをプロパン会社がタダで提供する代わりに、契約期間中の解約に違約金を発生させるといった契約です。
通常契約期間は10~15年程度で設定され、プロパンガス会社はその期間中を使ってガス料金からかかった費用を回収します。
プロパンガス会社切替の注意点


次に、プロパンガス会社切替の注意点を紹介します。
複数会社から見積もりを取る
プロパンガス会社は地域に多く存在します。
会社によって力を入れているポイントも異なり、値段やサービスの内容も様々です。
なかには利益だけを追求した悪徳業者も存在します。
プロパンガス事業が地域密着型のこともあり、一般的な企業ほど情報が開示されていないこともあります。
会社のホームページや口コミ情報も少なく、会社の情報が十分に得られないこともよくあります。
複数の会社をしっかり比較検討してから決めましょう。
契約内容をよく確認する
プロパン会社を切替するときは、契約内容をしっかり確認しましょう。
見るべきポイントとしては、
- 料金体系(基本料金、従量料金)
- 無償貸与契約の有無
- 解約の方法
- 違約金の内容
- 料金値上げの根拠・通知方法
などです。
契約書に記載がなかったり、説明を求めてもあいまいな答えしか来ない会社は注意が必要です。
不当に高額な違約金の請求をしてくることも
業者によっては契約書に記載のない違約金の請求や、不当に高い違約金を請求してくることもあります。
契約書に明示がされていない場合は違法行為の可能性もあります。
料金の適正価格を把握しておく
プロパンガスは自由競争で、料金も自由に決められます。
良心的な値段設定の会社も、当然その逆も考えられます。
地域で一番の底値企業を探す必要もないと思いますが、少なくとも適正価格よりも不当に高い会社に頼むのは避けるべきです。
ガス料金の適正価格は地域ごとに差があり、東京などの都市部では比較的安く、地方に行けば行くほど高くなります。
住んでいいる地域の適正価格はネットでも調べられるので、しっかりと把握しておきましょう。
情報をしっかり公表しいるところを選ぶ
プロパンガス会社は料金やサービスの内容に自信を持っている会社から選びましょう。
説明も親切丁寧で適正価格との比較もしやすいですし、なにより契約後のトラブルを避けることができます。
料金は自由に変更できることを覚えておこう
ガス料金の改正も、ガス会社が自由に行えます。
見積時には安く提示して、知らない間に料金が値上がりしているなんていうこともよくあります。
ガソリン価格と同じように、プロパンガスの価格も社会情勢に大きく影響されます。
値上がりすること自体は仕方がありませんが、その根拠が適正であるかどうかが肝心です。
目先の利益に騙されて、見積もり時点での料金だけで業者を決めることがないようにしましょう。
プロパンガス切替で大切なこと


最後にプロパンガス会社の切替で大切な心構えを紹介します。
「三方よし」で考える
「三方よし」とは近江商人の経営哲学の一つで、売り手と買い手の両方が満足することを言います。
プロパンガス会社の切替でも、この「三方よし」を考えて検討しましょう。
バランスが大事ですが、どこの視点もはずしてはいけません。
それぞれの立場でメリットのある方法を考えてみましょう
大家よし
満室経営が一番大事。経費もできるだけ抑えたい。
満室経営には入居者の満足度を上げることが不可欠です。
そのためには高いガス料金は当然NGです。
エアコンやガス給湯器をタダで更新してもらうのは経費削減には魅力的ですが、ガス料金を適正価格にしてもらえるのであればそちらのほうがいいでしょう。
迅速で親身な対応は入居者の満足度も向上します。
入居者よし
とにかくガス料金が安いほうが良い。
エアコンやガス給湯器がタダでついてきても、家賃が安くなるわけでないので入居者には一切関係ありません。
それよりも、といにかくガス料金が安いほうがいいでしょう。
プロパンガス会社よし
値段のたたき合いはしたくないし。他社への切替におびえるのも嫌。料金は高くなくても、長く利用してもらいたい。
プロパンガス会社にとっても満室経営は収入が増え、利益を伸ばすことができます。
エアコンやガス給湯器の無料更新はただの営業手段にすぎず、やはり本業はガスの利用や機器の更新工事です。
末長くいい付き合いができれば、日々の小修繕も良心的な価格で対応できます。
まとめ
今回は「プロパンガスの切替」について紹介しました。
巷では、エアコンやガス給湯器の無料更新を餌にプロパンガス会社の更新を迫る様々なサービスが展開されています。
本質を見落としてはいけません。
その過程におけるエアコンやガス給湯器の無料更新など枝葉の戦術にすぎません。
何が大事で、何を選ぶのか今一度しっかり考えて検討するようにしましょう。
その選択は、入居者を幸せにしますか?