収益還元法で不動産の価値を把握する【物件の稼ぐ力を見る方法】

こんにちは、マニです。

収支シミュレーションをする際に物件の価値をみる方法にはいくつかの種類があります。

今回はその中で「収益還元法」について紹介していきます。

目次

収益還元法とは

収益還元法とは

物件の価値を測る方法は大きく3種類あります。

  1. 収益還元法
  2. 積算法(原価法)
  3. 取引事例法

それぞれの方法について紹介します。

1. 収益還元法

物件の価値を、物件の持つ収益性から図る方法です。

おもに対象とする不動産の収益性を判断するために用いる方法です。

収益還元価格=1年間の利益(家賃収入-経費)÷還元利回り

「還元利回り」とは不動産の収益性を表した利率のことで、実質利回りと考えてもらえばわかりやすいと思います。

賃貸物件であれば5~8%程度が一般的ですが、対象物件のあるエリアの利回りの相場からも算出できます。

例えば投資物件の表面利回りの平均が10%程度の地域であれば経費率30%と考えて、還元利回り(実質利回り)は7%だと計算できます。

還元利回りは立地や築年数、構造などによっても変ってきますが、一般的な数値を利用するのであれば都市部では5~6%、地方では7~8%程度だと考えればよいと思います。

実際に計算してみる

実際の数値を使って収益還元価格を計算してみます。

  • 利益100万円(収入-経費)
  • 還元利回り7%

100万円÷7%=1430万円

この場合の収益還元価格は1430万円ということになります。

2. 積算法(原価法)

不動産の土地と建物の価値をそれぞれ計算し、物件の価値を測る方法です。

主に銀行融資の際の担保力を図る際に求める方法です。

積算価格=土地の価値(路線価×面積)+建物の価値(再調達価格)

積算価格は、

  • 路線価
  • 土地面積
  • 建物面積
  • 構造
  • 築年数

などの数値を使って機械的に算出します。

物件の収益性や管理の状態などは考慮しない、数字上の価値になります。

銀行融資を受ける場合は積算価格を元に担保評価額を算出し、融資金額を決定します。

収益還元価格は高いのに、融資を断られる場合はこの積算価格が低いことが原因だったりします。

3. 取引事例法

対象物件の周辺で実際に売買取引された物件の価格を参考にして価値を決める方法です。

おもに中古物件の売却価格を決める際に求められる方法です。

不動産投資は売主と買主の相対取引です。

その地域で物件を買いたいという人がいれば売買が成立しますが、需要がなければ収益還元価格や積算価格が高くても売れません。

取引事例法では実際に売買された金額を参考に価格を決めるため、その地域の需要を考慮した金額設定が可能です。

計算方法を比較

それぞれの特徴を比較してみます。

収益還元法積算(原価)法取引事例法
目的収益性を判断するため銀行融資のため中古物件の値付けのため
算出根拠物件の収益担保評価額周辺の取引事例
求められる価値稼ぐ力融資可能額実際の取引価格
計算方法の比較
  • 収益還元法は収益物件を購入する際の収支シミュレーションなどで使用します
  • 積算法は銀行融資の根拠資料として使用します
  • 取引事例法は、物件売却時の値付けの際に使用します

それぞれの計算方法は使用する目的で使われ方が違います。

収益還元法の種類

収益還元法の種類

収益還元法にはその計算の仕方により、さらに2種類の計算方法が存在します。

  • 直接還元法
  • DCF法

直接還元法

直接還元法とは、一定の期間(1年間)のみの収益だけで価格を計算します。

具体的な計算式は先ほど紹介したものと同じです。

直接還元価格=1年間の利益÷還元利回り

計算自体が簡単で誰にでもすぐに価値を判断できるメリットがあります。

不動産投資は経年劣化による家賃の低下や、空室リスクによる家賃収入の減少など見えないリスクが多く潜んでいます。

直接還元法では一定の期間のみの収益からしか価格を計算しないため、それらリスクを考慮できず、長期的な価値を判断することができません。

DCF法

DCF法とは、直接還元法では計算できなかった家賃の低下や、空室リスク、インフレリスクなど長期的なリスクを加味した計算を行う手法です。

長期的な価値の判断ができ、より正確な価値を把握することができますが、計算が複雑で素人が容易に価格を算出することができません。

初心者が収益還元法を用いる場合は、「直接還元法」で十分でしょう。

収益還元法を深堀してみてみる

収益還元法を深堀してみてみる

「直接還元法」の計算式から、収益還元価格について詳しく見てみます。

まずは計算式のおさらい。

直接還元価格=1年間の利益(収入-経費)÷還元利回り

この計算式からわかることは、

  1. 利益が多いほど価格が高い
  2. 還元利回りが低いほど価格が高い

1. 利益が多い

利益が多いとは家賃収入が多く、経費が少ないということです。

空室もなく満室経営をして、家賃も相場より高くとれれば家賃収入は多くなります。

管理の行き届いて投資家自ら積極的に経費削減に努めれば、余分な経費を少なくすることも可能です。

これらの物件の直接還元価格が高くなるのはわかりやすいですね。

2. 還元利回りが低い

少しわかりづらいのが、この還元利回りが低いと価格が高くなるというほうです。

これは一体どういうことなのでしょうか。

還元利回りはエリアの平均利回りでもあると説明しました。

例えば私の物件のある地方都市ではアパートの表面利回りの平均は10%で、経費率を30%と考えるとすると還元利回り(実質利回り)は7%であると言えます。

地方なのでこれぐらいが妥当なのでしょう。

いっぽう都心部では表面利回りの平均が7%で、空室リスクが地方よりも低いので経費率を20%とすると還元利回り(実質利回り)は5.6%になります。

収益還元価格を比較してみる

利益が同じ100万円の物件をそれぞれの都市で計算してみると次のようになります。

地方) 100万円÷7%=1430万円

都心) 100万円÷5.6%=1790万円

利益が同じであれば、都心のほうが収益還元価格が高いことがわかります。

これは同じ100万円の利益の物件でも地方だと1430万円でしか売れず、都心であれば1790万円でも買い手が見つかるということです。

都心で利益100万円の物件を1430万円で買うことができれば、収益還元価格より安く買えたことになります。

私の物件で検証してみる

最後に実際に私が購入した物件で数値を出してみましょう。

  • 家賃収入408万円(年間)
  • 経費122万円(経費率30%)
  • 還元利回り7%(表面利回り10%、経費率30%として計算)

収益還元価格=(408-122)÷7%=4085万円

実際に私はこの物件を3600万円で購入しました。

物件の稼ぐ力である収益還元法で見た場合、結構お買い得物件だったと言えます。

積算価格も計算

ちなみにこの物件の積算価格は2500万円程度でした。

比較的築浅な物件でしたが、木造で路線価も6万円/m2しかないエリアだったので積算価格はほとんど出ていません。

いまさらながらよく融資が下りたなと思います。

もしかしたら収益還元価格のおかげかもしれません。

まとめ

今回は収益還元法について紹介しました。

物件の価値を見る計算方法は3種類ありましたが、それぞれ使用目的が違いました。

  • 収益還元法=物件の稼ぐ力を見る
  • 積算法(原価法)=銀行融資の担保評価額を見る
  • 取引事例法=売却時の参考価格を見る

これらの計算方法は、それぞれ目的に合わせて利用することが大切です。

計算方法をマスターして、収支シミュレーションに活用しましょう。

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