法人設立にあたって税理士に相談してみた|専門家はやっぱり凄かった

こんにちは、マニです。

法人登記も終わり、役所への届出に格闘しながらも、今後の会社経営のために税理士に税務相談をしてもらいました。

今回は、法人設立1ヶ月での不動産投資での色々な疑問を税理士の先生に回答いただきましたので広く、みさんにその回答をご紹介します。

これから、法人設立して不動産投資の規模を拡大していきたいと考えている人のヒントになればいいなと思います。

目次

法人設立にあたって税理士に相談してみた

税理士に相談してみた

役員報酬の決定の仕方

Q:専業主婦の妻を社長にしました。私(夫)の扶養から外れないように役員報酬を払う場合、いくらが最適ですか。特に社会保険の観点で、扶養から外したくない。

A:社会保険の観点から考えると、年間130万円までが最適。

税金の観点からすると、130万円の他に、98万円、103万円、160万円と呼ばれるラインがあります。

役員報酬を支払われる、役員の税金(所得税、住民税)という観点では、103万円が税金の発生しないラインです。

社会保険が不要な、130万円というラインだと、税金が発生してしまいますが、確定拠出年金(iDeco)の掛け金を最大限利用すれば、年間130万円までなら、税金もかからず、社会保険の扶養も外れません。

収入がなく、配偶者の扶養に入っているものを役員にする場合は、年間130万円というのが一つの最適解のようです。

役員報酬の支払い方

Q:役員報酬は毎月、一定額を支払わなければなりませんか。

A:役員報酬は、毎月、決められた額を支払う必要がある。

役員報酬は合同会社であれば「合意書」、株式会社であれば、「役員総会」で報酬額を決めます。

同意書や、役員総会で定めた役員報酬は毎月、決められた額を支払わなければならないようです。

役員報酬の金額の変更

Q:役員報酬の金額は途中で変更することができますか。

A:事業年度内の役員報酬の金額の変更は、原則不可。ただし、減額する場合は、客観的な根拠があれば可能。

役員報酬の金額の変更は事業年度開始から3ヶ月以内に、「合意書」「役員総会」で行います。

これ以降の金額の変更は原則としてできません。

ただし、減額の場合のみ客観的な根拠がある場合は可能だということです。

客観的な根拠とは、

  • 経営が厳しくなり、融資先の銀行から経営改善のために役員報酬の減額を提案された
  • 外部環境(コロナなど)により、経営が悪化して、役員報酬を下げざるを得なかった

などだということです。不動産投資において、

  • 今年は売り上げも少なく、減価償却も多くあるので、年度末に役員報酬をカットしよう

みたいな、方法は取れないということですね。

役員からの貸付

Q:ローンを返済し、役員報酬を支払ったら、会社の現金が不足します。会社の現金が不足した場合、役員から会社に貸付を行うことはできますか。

A:役員からの貸付は可能。

不動産投資で融資を受けている場合、よほど有利な条件で融資を受けていないと、毎月のキャッシュフローは返済が完了するまでは厳しい状態だと思います。

税金対策のために、役員に報酬を払っていては、会社の現金が不足してしまいます。

その時、取れる方法は、役員からの貸付です。

役員に年間130万円の報酬を支払い、役員から年間130万円の貸付を行うことは可能だということです。

ただし、この130万円は対外的には、借金です。

この状態が10年続くと会社には、役員に対して130万円×10年=1300万円の借金があることになります。

会社の内情を知っている、金融機関はいいですが、新しく融資を依頼する金融機関にはしっかりとした説明ができないと、借金の多い会社と取られる可能性があるそうです。

ちなみに、この場合の貸付には利息の設定は不要だということです。

その心は役員は個人であり、営利目的でない貸付が不自然でないからだということです。

逆に、会社が役員に貸付を行う場合は、会社自体が営利を目的とするため、利息なしで貸付を行うことが不自然になるため、会社からの貸付には適正な利息をつける必要があるということです。

そのほか、融資を受けている金融機関すると、融資を受けているのに、他のものに貸付をしていることに良い印象を持たないのだとか。

気をつけましょう。

扶養に入っている配偶者の届出

Q:報酬を受け取る役員(妻)が、私(夫)の扶養に入っているが会社に届出が必要ですか。

A:収入が130万円以内なら届出は不要。会社から求められれば年末調整時に証明資料を提出する必要がある。

扶養する側の会社への届出は収入が130万円を超えなければ、とりあえずは不要だということです。

年末調整時に、配偶者の収入を申告しますが、自己申告の会社もあり、必要があれば根拠資料を提出すれば良いということです。

会社によって、対応がまちまちなので、自分の勤めている会社に確認するのが一番良いそうです。

個人事業主から払うか、法人から払うか

Q:2棟目を取得して新しく設立した法人から「役員報酬」として払うより、私(夫)が所有する1棟目の個人事業主から「青色申告専従者給与」として払った方が節税効果が高くなりますが、可能ですか。

A:「青色申告専従者給与」は事業的規模(10室以上)が必要なので、支払いできない。また不動産投資の場合、青色申告専従者給与は支払える金額に根拠が必要。

個人事業主が同居する親族に給料を支払う方法に、青色申告専従者給与があります。

個人でやっている飲食店や家族経営のお店が家族支払う給与がこれにあたります。

不動産投資で青色申告専従者給与を支払う場合、所有する不動産の数が戸建て5棟以上、アパート・マンションで10室以上と決められています。

私の場合、個人事業主として所有する物件が8室で、条件を満たしていないのでそもそも、青色申告専従者給与は使えませんでした。

また、青色申告専従者給与は、勤務の実態が必要のようで、不動産投資の手伝いとして会計処理や、定期的な清掃を行ったぐらいでは、3〜5万円が相場で、高くても8万円ぐらいまでしか給与として認めてもらえないそうです。

法人の場合はどうなのかというと役員は、

  • 会社に資本金を出資している
  • 重要な経営判断を行う必要がある
  • 経営状況によりリスクを背負う必要がある

といった、責任やリスクを負っているため、使用人として支払われる給与より多くの報酬を受け取ることを認められているんだそうです。

多くの報酬を支払いたい場合は、「青色申告専従者給与」より「役員報酬」の方が使い勝手が良いみたいです。

共有名義による事業的規模の獲得

Q:現在、個人として8室のアパートを所有しています。事業的規模(10室)で青色申告特別控除を行うために、2棟目物件を法人と共有名義にして購入したいのですが、このような申告は可能ですか。

A:申告自体は可能だが、税務署に否認されるリスクが高い。

税務署は、事業の実態がどうなのかというところを重要視するそうです。

共有名義とはいえ、実態が法人もしくは個人での運営が主で、片方の名義人は租税対策のみの所有だと判断する可能性が高いということです。

個人事業主と、法人の活動の棲み分け

Q:対外的な信用度を上げるために、今後は個人で所有するアパートの活動も法人の名前を使って行いたいです。会計上の問題として、個人側で行う活動に使う資料に、法人の会社名を使って良いですか。

A:法人の会社名を使っても問題ない。個人と会社の間で何かしらの契約(賃貸管理契約、賃貸媒介契約など)を結んでおくと、活動がクリアになる。

不動産投資をしている人で、法人と個人事業主の両人格で活動されていることは多いです。

募集用のチラシを作ったり、関係者と打ち合わせするにあたって法人と個人を切り分けるのは厳密には困難です。

個人で所有するアパートの活動を法人で行うことも可能ですが、個人と法人の間に何かしらの契約を結んでいればより良いということです。

例えば、賃貸管理に関することや、賃貸募集に関する業務を法人に委託するという契約を結んでいれば、全ての業務を法人名で行っても何ら問題はありません。

法人で行った活動にかかった費用は、実費を個人で負担して経費処理することも可能だということです。

法人の確定申告

Q:法人の確定申告を税理士を通さず、個人で行うことは可能ですか。会計ソフト+税務ソフトを利用する予定です。

A:税務ソフトで確定申告書類が全て作成できれば、対応できる。

不動産投資は一般的なビジネスに比べて、会計処理の数が非常に少ないです。

アパート1棟所有しているぐらいなら、月に記帳が必要な項目は10個ぐらいで済みます。

毎月、しっかり記帳していれば、帳簿付自体は専門家の手を借りる必要はありません。

個人の確定申告の場合、日々の記帳さえ完了していれば確定申告は個人でも簡単にできます。

法人の場合、税額の算出が複雑で、提出すべき書類も多くあります。

税務ソフトを利用すれば、個人でもできる可能性はあるということですが、決算時期になる前に一度、税務ソフトを利用した方がいいそうです。

いざ、申告をしようとした時に、実際はやり方がわからず、専門家に頼まないといけないということも多くあるそうで、依頼が遅くなれば、税理士を探すのも苦労するんだとか。

個人で申告する場合は、決算時期の前に一度、税務ソフトで予行練習した方がいいそうです。

領主書がもらえないやりとりの処理

Q:内見者へクオカードをプレゼントしたり、入居者に引っ越し費用として現金をプレゼントしたいと考えています。領収書をもらえないやりとりですが、何か証拠は残した方がいいでしょうか。

A:支払った事実と、根拠資料があればよい。

内見者へのプレゼントや、入居者への引越し費用の負担など、一般的なお店や企業相手に支払っていない支出は領収書などの証拠資料を集めるのが難しいです。

この場合も、支払った事実とその根拠資料をしっかり残しておけば問題ないということです。

この場合でいうと、クオカードを受け取った入居者の住所・氏名・受領日をアンケート用紙などに記入してもらったり、入居者への引っ越し費用を銀行振り込みしたりした記録などが、支払った事実になるそうです。

根拠資料としては、このようなキャンペーンを行った際のチラシや案内資料を根拠資料として残しておけば十分です。

領収書が発行されなくても、この支払った事実・根拠資料があれば税務調査で指摘されることは少ないということです。

まとめ

今回は、税理士に税務相談をした際に確認できたことを紹介しました。

このほかにも色々と確認したかったのですが、時間切れで全てを聞けませんでした。

税務相談の最後に、税理士さんから今後の法人運営のアドバイスをもらいました。

それが、

「不動産投資に精通している、税理士に早めに相談した方が良い」

ということでした。

税理士も医者と同じように、専門分野が異なります。

不動産投資に精通している税理士さんは、不動産投資特有の税制優遇策や、ビジネスモデル(スキーム)を多く知っているということです。

そのような税理士さんの早めに相談して、物件の買い方や融資の受け方を一緒に相談して行くことが成功への近道だとか。

確かに、一理あります。

ちなみに今回、税務相談をした税理士さんは、「不動産投資はそこまで強くないです。もし税理士をお探しなら不動産投資に強い税理士をさがすお手伝いをしますよ」とおっしゃってました。

欲がないですね(笑)

けど、こういう人は信用できます。

税理士を探すときは相談してみようかと思います。

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