不動産投資の投資回収期間はどれぐらい【購入時諸経費で考えよう】

こんにちは、マニです。

「不動産投資って、ミドルリスク・ミドルリターンって聞くけど、結局、どれぐらい儲けるんだろう。大事な貯金だし、無駄にしたくないし、、、投資したお金がどれぐらいの期間で、回収できるのか知りたい。」

こんな疑問に、答えます。

今回の内容

  • 不動産投資の投資回収期間はどれぐらい
  • 私の購入した物件で、実際に計算してみる
  • 投資金額は購入時諸経費で考える

私は、地方でアパートを1棟、所有しています。
実際に物件を購入するときは、たくさんのシミュレーションをしてきました。

目次

不動産投資の投資回収期間はどれぐらい

「投資回収期間」という言葉があります。
投資したお金が、何年で回収できるかを、表す言葉です。

100万円を投資して、1年で50万円の利益が出れば、投資回収期間は2年ということになります

投資回収期間の長短で、ある程度の投資判断ができるようになります。
中小企業では、2年以内が適正で、1年以内がベストと言われています。

「ただの副業だから、そんなの別に気にしないよ」

甘い。不動産投資は立派な「事業」です。
副業だと軽く見ていると、失敗しますよ。

しっかり事業性を判断して、取り組みましょう。
不動産投資の場合も、中小企業と同じように、最低でも2年以内、できれば1年以内を目標にすべきですね。

投資回収期間の求め方

投資回収期間を求め方は、次の通り。

投資回収期間 = 投資金額 ÷ 1年間の利益

「キャッシュフロー」と「利益」を、混合して考えている人が多いので、細かく説明します。

利益とキャッシュフローは別物です。

「不動産投資は、キャッシュフローが重要だ」
という言葉を、よく聞きますね。

この言葉が独り歩きして、キャッシュフローばかりを追い求める人が、多い気がします。
キャッシュフローとは、一年間のすべての収入と支出から、実際に手元に残った現金(キャッシュ)のことです。

キャッシュフローと、利益は別物です。

ここの違いを、理解できていない方は、不動産投資のキャッシュフローの計算方法【注意点もまとめました】をご覧ください。

「キャッシュフロー」は、物件の純粋な稼ぐ力ではありません。
投資家のスタンスによって、いくらでも金額を調整できます。
いっぽう、「利益」は、純粋な物件の稼ぐ力です。

投資回収期間を使って投資判断をする場合、「キャッシュフロー」ではなく、「利益」を使うべきです。
※これについては、最後に補足があります。

利益 = 家賃収入 – 経費 – 税金

利益の計算では、税金を見落としがちなので、忘れないようにしましょう。

私の購入した物件で、実際に計算してみる

次に、私が実際に購入した物件で、投資回収期間を計算してみます。

  • 物件価格 3600万円
  • 購入時諸経費 296万円
  • 融資 3500万円

購入時諸経費について、どんなものがあるか詳しく知りたい方は不動産投資の初期費用はいくら必要??【実際の費用を公開します】も併せてご覧ください。

投資金額

まずは、投資金額を計算します。

投資金額
= 3600万円(物件価格) + 296万円(諸経費) – 3500万円(融資額)
= 396万円

購入するために、実際に支払った現金。
いわゆる頭金ですね。

利益

次に、利益の計算。
実際の金額がまだ出ていないので、購入時のシミレーションの数値を利用します。以下が、条件です。

  • 家賃収入 408万円(表面利回り11.3%)
  • 空室率 48万円(10%)
  • 経費率 96万円(20%)
  • 減価償却 145万円(建物のみを11年で償却)
  • 所得税+住民税 30%

減価償却については、詳しく知りたい方は不動産投資の減価償却をくわしく解説【上手に付き合いましょう】で解説していますので、こちらを確認してください。

利益は次のステップで、計算します。

  1. 「税引き前利益」を求める。
  2. 「税引き前利益」から「所得税・住民税」の額を求める。
  3. 「収入」から「支出」「所得税・住民税」を引いて「税引き後利益」を求める。

ステップ1:税引き前利益

税引き前利益
= 408万円(家賃収入) – 48万円(空室リスク) – 96万円(経費) – 145万円(減価償却)
= 119万円

ステップ2:所得税・住民税

所得税・住民税
= 119万円(税引き前利益) × 30%(税率)
= 35万円

ステップ3:税引き後利益

税引き後利益
= 408万円 – 48万円(空室リスク) – 96万円(経費) – 35万円(所得税・住民税)
= 229万円

利益229万円。実質利回り6.0%です。
この物件は、減価償却期間が11年あります。
この期間は、だいたいこれぐらいの利益が出ると、想像できます。

投資回収期間

最後に、投資回収期間を求めましょう。

投資回収期間
= 396万円(投資金額) ÷ 229万円(利益)
= 1.72年

目標の2年以内はクリアしています。
とりあえず、OKですね。

これだけでいいの?

シミュレーションは、これだけでいいのでしょうか。
投資回収期間は、短いほうがいいということでしたよね。

上の計算式をよく見ると、投資金額を少なくすれば、回収期間を短くできることがわかります。
投資金額を少なくするためには、融資をたくさん引く必要があります。

フルローン、オーバーローンは成功の確率をあげれる!?

これって本当でしょうか。
なんか、危険な香りがしますね。

一方で、

頭金は多く入れるほうが、自己資本比率が高くなり安全!?

ということも聞きます。
頭金10%より、30%のほうが返済比率も低くなり、安定経営できます。

いったい、どっちをあてにすればいいのでしょうか。
ここに関しての私の見解は、次のような感じです。

投資金額は購入時諸経費で考える

不動産投資の中で、利益を生まない出費があります。
それが、購入時諸経費です。

これは一円も、資産になりません。
よって、これを回収できれば、あとは資産の積み上げです。

私の場合、購入時諸経費は296万円でした。
(投資金額の396万円とは違います)

これを回収できれば、そこから先はずっと資産が積み上がり、プラスです。
逆に、これを回収する前に、ゲームオーバーになれば、赤字で終わることになります。
不動産投資の場合、この期間を投資回収期間と考えるほうがよさそうです。

諸経費で見た投資回収期間

購入時諸経費は296万円でした。

投資回収期間
= 296万円(諸経費) ÷ 229万円(利益)
= 1.29年

これも2年以内をクリアしていますね。

もう少し掘り下げ

わたしの物件は、とりあえず最低目標の2年以内はクリアしているのがわかりました。
投資先としては間違っていないんでしょう。きっと。

では、最後に、この投資をさらに安全にするために、投資回収期間を1年以内にするためには、どうすればよいか考えてみましょう。

計算式には、「諸経費296万円」と、「利益229万円」があります。

諸経費を下げてみる

「諸経費296万円」の、中身は次の通り。

  • 仲介手数料
  • 司法書士費用
  • 不動産取得税
  • 登録免許税

はっきりいって、この金額を下げるのは不可能です。
できても、仲介手数料ぐらい。

これも、売主物件を直接購入する必要があり、やろうと思ってできるものでもありません。
ほとんど運です。

じゃあ、利益を上げてみる

もう一つは、「利益229万円」を上げる方法です。
これは、いろいろやり方があります。

  • 空室率を、10%から5%にあげる
  • 修繕費を安く抑える
  • 税金対策をする

大家自身の努力で、やれることが結構ありそうですね。
諸経費は固定費です。知識と経験があっても下げることは難しいです。

しかし、利益は変動費です。
ここを頑張れば、投資回収期間を1年以内にすることも可能でしょう。

本日の気づき

大事なことを、振り返ってみます。

  • 「利益」から物件の稼ぐ力をしっかりと見極める
  • 投資回収期間は「購入時諸経費」を回収する期間と考える
  • 大家の知識・経験・努力で投資回収期間は改善することができる

何度も言いますが、「利益」と「キャッシュフロー」を間違わないように注意しましょう。
検証の結果、物件の稼ぐ力がなく、投資回収期間が3年、4年かかるような物件は、ちょっとしんどいですね。

利益は大家自身の努力で、改善します。
投資回収期間を短くして、健全で安定した不動産投資を目指しましょう。

補足

投資回収期間には、実は、違った見方も存在します。

投資回収期間 = 投資金額 ÷ キャッシュフロー

この投資回収期間は実際に支払った投資金額(現金)を、実際に手元に残るキャッシュフロー(現金)で回収する期間です。
諸経費と利益を使った投資回収期間とは違った、検討をすることができます。

「利益」を使った投資回収期間は、資産の回収。
「キャッシュフロー」を使った投資回収期間は、現金の回収を意味します。

これについては、また機会があれば、記事にアップします。

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