現場監督が教える見積講座⑦|見積査定はただの答え合わせ

こんにちは、マニです。

サラリーマンをしながら地方でアパートを一棟所有しています。

本業は建築現場の現場監督です。

仕事柄、下請さんから見積もりをもらったり、お客さんに見積もりを提出したり、普通の人より見積もりに触れる機会が多いです。

建設業界では見積もりは立派な成果品です。

第7回目の今回は見積もりをもらったあとの査定の方法について紹介します。

結論:見積査定とは、ただの答え合わせです

見積査定って結局何するの?という疑問に答えます。

目次

見積査定の方法を紹介

見積査定の方法を紹介

リフォーム会社などから提出される見積書は商品(工事)の説明書です。

見積査定とはその説明書の中身を読んで、わからないことや疑問に思うことを確認する作業です。

そこに書いてある工事の説明が自分が求めていたものと違えば、修正をお願いするでしょうし、金額が妥当でないと思ったらその理由を尋ねたりするでしょう。

説明書にしっかりと内容が書かれているかが大切

しっかりした会社は工事の説明書である見積書がとても細かく、手順ごとにどんな工事をするのかよくわかるようになっています。

例えば、2DKの間取りを2LDKに変更するリフォームを依頼した場合、こんな見積もりをもらうことになります。

項目仕様数量単価
解体工事15m22,000円/m2
補修費用壁、床、天井面1式30,000円/式
壁紙張替えサンゲツ 77201010m21,500円/m2
室内養生費用1式8,000円/式
廃材処分費運搬料込み1式15,000円/式
清掃費1式2,000円/式
作業員交通費近隣駐車場代2日1,000円/日
例)リフォーム工事の見積もり①

これを見ると、

  1. 壁を解体して廃材を処分する
  2. 壁や天井を補修して仕上げにクロスを貼り替える
  3. 作業が終わったら部屋を清掃するる

という、一連の工事が想像できますね。

へぇ~、職人用の駐車場代も大家が払わないといけないんだ

なんていうことも、わかりますね。

工事の内容がわかならい説明書もある

なかには工事の説明書である見積書の中身が充実していないものもあります。

項目仕様数量単価
室内リフォーム工事2DK→1LDK1式80,000円/式
諸経費廃材処分費ほか1式20,000円/式
例)リフォーム工事の見積もり②

合計の金額はさきほどと同じですが、これではどんな工事をするのかさっぱりわかりません。

見積書の見るべきはポイントは「仕様」と「数量」

見積書の見るべきはポイントは「仕様」と「数量」

出てきた見積書の見るべきポイントは「仕様」と「数量」です。

前回の記事で紹介しましたが、リフォームや大規模修繕などの建築工事は見積もりを依頼した時点で勝負が決まります。

見積依頼時にこの「仕様」と「数量」が明確にできる見積資料を整備すれば、たとえ現地調査ができていなくても、根拠あるある見積書を作成することができます。

関連記事:現場監督が教える見積講座⑥|見積徴収は事前準備で勝敗が決まる

まずは「仕様」をチェックする

まずは仕様をチェックしましょう。

先ほどの例で言うと、「壁紙張替え=サンゲツ 772010」と書かれた場所です。

このように具体的な商品名で記載されていると、説明書としての役割を十分に果たしています。

こうすることで工事の内容をしっかりとお客さんに説明することができますし、それを見た客が、「いやいや壁紙はこんなシンプルなものじゃなくて、デザイン性のある柄でお願いしいんですよ」なんていう、会話をすることもできます。

このように仕様がしっかり書かれた見積書であれば、のちのちのトラブルを未然に防げます。

まずは見積を依頼するときの見積資料をしっかり整備することは大事ですが、提出された見積もりがしっかりその内容が反映されているかどうかを確認しましょう。

次に「数量」をチェックする

次に数量をチェックします。

今回の例で言うと、解体工事の面積や壁紙の張替面積などです。

見積資料で寸法を記載しているのにそんなの間違う人いるの??

と思われるかもしれませんが、見積もりは人がやることです。

誰にでも間違いはありますし、こちらが作った見積資料が間違っていることもあります。

自分が計算した数量と見比べたり、相見積もりを取っているのであれば各社の数量を見比べることも有効です。

仕様や数量が不明確な見積書を作る理由

先ほどの②の見積もりの例のように、すべての項目が「1式」となって、仕様がよくわからない見積書が出てくることがあります。

数量についても、実測すると「20m2」しかないのに、「25m2」とか「30m2」と書かれた見積書がでてくることもあります。

このような見積書を作ってくる会社には事情があり、おおきく分類すると、次の3つに分かれます。

  1. 時間がなくてちゃんと見積もりを作れなかった
  2. 他の仕事が忙しいなどの理由で、そもそも工事を請けるつもりがない
  3. 客をだましてぼったくってやろうと考えている

いずれの場合も、説明書がいくらわかりづらいと言ってどんなに交渉しても、まともな会話にならないので、このような見積もりを提出してきた会社は早々にお断りするようにしましょう。

はっきり言って時間の無駄です。

見積査定をするときのポイント

見積査定をするときのポイント

仕様や数量を確認した結果、こちらが要求した仕様や数量と大きくかけ離れている会社があったとします。

商品の単価もほかの会社に比べて、高いところもあるでしょう。

そういった会社に対して、どのような交渉をすればよいのか紹介します。

①間違いを指摘しない

見積査定の基本的なスタンスとして「間違いを指摘しないこと」が重要です。

誰にだって間違いはあります。

数量や単価が間違っていると思っても、

なんだこの数量(単価)は。俺をぼったくるつもりか!!

なんて言うと、この時点で交渉決裂です。

相手にもプライドがありますから、間違いは修正するでしょうが、今後はあなたに対して真摯な対応はしなくなります。

私も本業でこんな扱いをするような客には、それなりの対応はしますが、もし相手が困っていても「絶対に助けてあげたりはしません」。

相手に誠意を示して、信頼関係を築くことが大切です。

②答えでなくヒントを与える

交渉事で大事なことは答えを示すのではなく、ヒントを与えて自分の頭で考えさせることです。

悪徳業者でもなければ、少しでも安い金額を提示して、自分の会社を選んでもらいたいと思っています。

しかし、工事には当然、必要な原価があります。当然、原価以上は安くすることができません。

仕様や数量が間違っていると思ったら、

マニ

私の計算した数量と乖離があるみたいです。こちらが間違っているかもしれないので、計算の仕方を教えてもらえませんか?

と聞いてみてください。

親切に教えてあげようと、もう一度自分の数字を確認すると思います。そして、間違いに気づきます。

この時のポイントは、「自ら間違いを見つけた」ということです。

この時「ほかにも間違ってるんじゃないですか??」とか「この見積、ほんとうに大丈夫ですか?」なんて野暮なことを聞いてはいけません。

誰にでも間違いはあります。間違いを指摘するのではなく、考えるためのアドバイスしてあげましょう。

③一緒に上司を説得する

建築工事の見積は、担当者の力量によってその金額が大きく変わります。

力量とは、社内の発言力と言い換えてもいいかもしれません。

担当したのが営業部長であれば自分の裁量で大幅に金額を下げることもできるでしょう。

新米担当者であれば、当たり障りのない金額しか作りこめません。

経験がないというより、上司の説得がうまくいかないからです。

サラリーマン相手の交渉事は目の前の担当者が相手ではありません。

真の敵は、その向こう側にいる会社の上司です。

見積担当者を説得するのではなく、担当者とタッグを組んで上司を説得しましょう。

「今後も継続的にリフォームをしていく予定があります」とか、「うちの駐車場を使ってもらえれば、経費が安くなりませんか」など上司を説得する材料をプレゼントしましょう。

「どうしても予算が厳しいので、あと5万円だけ費用を削減できる方法がなにかありませんか??」と言えば、色々と知恵を絞って提案してくれるでしょう。

もしかしたらその一言だけで上司に掛け合って、金額を下げてくれるかもしれません。

とにかく大事なことは、こちらから色々と「答え」を与えるのではなく、相手に「ヒント」を与えて自分の意志で見積金額を下げる努力をしてもらうことです。

④無駄な交渉はしない

何度も言いますが、利益の出ない工事はいらないと思っている会社にいくら金額の交渉をしても、金額は安くなりません。

そもそもそんな努力は時間の無駄なのでしません。

建築工事が盛んで、どこの会社も忙しいときは、潔く対応がいい会社に決めてしまいましょう。

建築工事は生ものです。

不毛な交渉に時間を取られて消耗しないように、「いつでもどこでも同じ価格で買えないこと」はよく理解しておきましょう。

まとめ

今回は、見積もり査定の方法を紹介しました。

建築工事の見積もりは、見積もりを依頼する時点で勝負が決まっています。

「仕様」と「数量」をしっかり拾える資料を作成しましょう。

結論:見積査定とは、ただの答え合わせです

詰まるところ、「間違った答えを見つけて、適正なものに直していく」ただそれだけの作業です。

ただし、適正なものに直していくのもコツがあります。

相手の立場に立って考えて、お互い気持ちよく仕事をするようにしましょう。

間違っても悪徳業者や忙しくて仕事を受けたくない会社と不毛な交渉をして消耗することがないように気をつけましょう。

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