こんにちは、マニです。

青色申告をしたいのですが、複式簿記でないといけないんでしょうか。簿記の知識がいると聞いて尻込みしています。
残念ですが、青色申告をするには複式簿記が必要です。
専門的な知識がいることも、また事実です。
今回は青色申告に必要な複式簿記について紹介します。
帳簿をつけることは確かに難しいですが、初心者でもちゃんと方法を理解すればだれでも利用できます。
青色申告には複式簿記が必要


個人、企業に関わらずすべての事業者には記帳義務が課せられています。
青色申告をしているにもかかわらず必要な帳簿の作成を怠っていると、税務調査で指摘をされてしまい加算税や延滞税といった罰金を支払わなければならなくなります。
売り上げや利益を隠すために帳簿をつけていないと判断された場合は、脱税行為とみなされ最悪の場合、逮捕される恐れもあります。
加算税や延滞税などの罰金は申告したその年だけではありません。
青色申告していた過去にまでさかのぼって追及され、青色申告事業者の届け出自体を取り消される可能性もあります。
>>>「不動産投資家は青色申告しよう|思ったよりも簡単です」
簿記の種類
複式簿記の記帳方法は「簡易簿記(単式簿記)」と「複式簿記」の2種類があります。
まずはこの二つの違いを紹介します。
簡易簿記(単式簿記)
簡易簿記とは一つの取引で、ひとつの項目のみを記録する帳簿のことを言います。
日々発生する収支の内容を現金の増減だけで記載して、1年分の累計額を集計します。
家計簿やお小遣い帳をイメージしてみてもらえればいいと思います。
簡易簿記はおもに白色申告者が利用する帳簿です。
複式簿記
複式簿記とは一つの取引で、二つの面から記録する帳簿のことです。
二つの面とは取引の「原因」と「結果」のことで、100円のペンを買った場合で考えると次のように記帳されます。
ペンの購入100円
100円のペンが増えて(原因)、現金が100円減る(結果)
この「原因」と「結果」には取引の内容を種類ごとに分ける必要があり、複式簿記を正確につけようと思うと簿記の知識が必要になります。
資産と負債の関連性が連続的に記録され、とても信頼度が高い記帳方法ですが、帳簿付けが非常に煩雑で初心者がノートやエクセルで記帳するのは不可能です。
複式簿記の中身を紹介


複式簿記を使って作成する帳簿にはいくつかの種類があります。
取引の内容をすべて記帳する主要簿(仕訳帳、総勘定元帳)と、主要簿ではわからない内容を補助する補助簿(現金出納帳、経費帳、固定資産台帳など)があります。
主要簿
- 仕訳帳
- 総勘定元帳
「仕訳帳」はすべての取引を日付順に並べたものです。
複式帳簿の基本で、この仕訳帳を元にそのほかの帳簿を作成していきます。
「総勘定元帳」は仕訳帳の内容を勘定科目ごとに転記した帳簿です。
補助簿
- 現金出納帳
- 預金出納帳
- 売掛帳
- 買掛帳
- 経費帳
- 固定資産台帳
「現金出納帳」「預金出納帳」は入出金の履歴を記録する帳簿です。
「売掛帳」「買掛帳」はツケを記録しておく帳簿です。
「経費帳」「固定資産台帳」は経費の記録、減価償却する固定資産を記録する台帳です。
そのため「仕訳帳」の作成が複式簿記の上ではとても大事です。
複式簿記を使って青色申告する流れ


次に複式簿記を使って青色申告する流れを紹介します。
日々の取引を複式簿記で記帳し、仕訳帳を作成します。
仕訳帳ができたら、勘定科目ごとに総勘定元帳を作成します。
主要簿をもとに青色申告決算書(損益計算書、貸借対照表)を作成します。
総勘定元帳をしっかり作っておけば、損益計算書、貸借対照表の作成もスムーズに行えます。
青色申告決算書をもとに、確定申告書を作成します。
損益計算書ができていれば、あとはそこで計算した金額を確定申告書に転記するだけです。
仕訳帳をもとに現金出納帳、経費帳などの補助簿を作ります。
確定申告書、青色申告決算書が作成出来たら、税務署へ提出します。
主要簿や補助簿を提出する必要はありませんが、領収書や受領書とともに一定期間保管しなければなりません。
紛失しないように大事に保管しておきましょう。
>>>「確定申告のやり方がわからない!!【手順を優しく解説します】 」
複式簿記を使い青色申告するポイント


最後に複式簿記を使って青色申告するポイントを紹介します。
仕訳作業は取引のたびにおこなう
簡易簿記では現金の増減を記録して最終的な残高の集計するだけすみますが、複式簿記は「原因」と「結果」の記載が必要です。
「何に(原因)」、「いくら使ったか(結果)」をしっかり記録しておくには取引のたびに仕分け作業を行うことが大切です。
いざ仕訳する段になって、何にいくら使ったか分からなくなることもあります。
仕訳作業はためずに、つど行うようにしましょう。
複式簿記は会計ソフトが楽ちん
複式簿記を正確につけるには、簿記の知識が不可欠です。
初心者にはとても難解で、慣れるまでに多くの時間と労力が必要です。
ソフトの案内の通りに仕訳するだけで、家計簿感覚で複式簿記の帳簿付けができます。
申告書はすべてボタン一つで完了
確定申告時に必要な青色申告決算書(損益計算書、貸借対照表)や、主要簿、補助簿などすべてボタン一つで作成できます。
会計ソフトを使えば専門知識が不要なだけでなく、申告書類の作成手間や時間も大幅に削減できる優れものです。
>>>「会計ソフトのおすすめ3選|不動産投資家はみんな青色申告しよう」
専門家に相談を利用してみる
確定申告の方法や複式簿記のつけ方について、相談に乗ってくれるところがあります。
税務署や役所だけでなく、銀行、商工会議所、会計事務所など色々な場所でが相談することができます。
確定申告期間は無料で相談に乗ってくれるところもあるので、困ったときは一度相談してみてはいかがでしょうか。
>>>「確定申告を無料で相談したい【実はこんな相談場所もあったんです】」
規模によっては税理士に依頼するのもあり
事業が忙しく会計処理に時間と労力を割けないという人もいるでしょう。
依頼費用は掛かりますが、日々の記帳から確定申告書の作成まですべて行ってもらえます。
税理士に依頼するメリットは会計処理の手間が省けるだけでなく、効果的な節税対策や資金調達の方法など、確定申告以外のアドバイスをしてもらえることです。
人によっては大きな節税効果が得られるなど、費用を払ってでも税理士へ依頼するメリットは大きくなると思います。
>>>「不動産投資家が税理士に依頼するメリット【税金と戦うパートナー】 」
>>>「税理士紹介サービスおすすめ3選【とりあえず全部使ってみて】」
まとめ
今回は青色申告を行うための「複式簿記」について紹介しました。
複式簿記には簿記の知識が必要で、記帳や申告書の作成にはかなりの労力が必要です。
会計ソフトや無料相談、税理士などを上手に使って青色申告してみましょう。